設備用語
空気調和設備
熱源機器
熱源機器とは、蒸気・温水・冷水を製造する設備機器のことです。
主に以下の3種類があります。
- ボイラー:蒸気を発生させる機器
- チラー(冷凍機):冷温水を発生させる機器
①ターボ式
②ヒートポンプ式
③吸収式冷温水発生器:フロンガスを使用せず運転効率も高いため、採用が増えている - クーリングタワー(冷却棟):冷水を発生させる機器
①開放式:上部から水を落とし、大気と接触させて蒸発させることで、水を冷却する方式
②密閉式:大気と直接接触せず、銅管などの密閉回路のまま、水の蒸発潜熱(液体から気体に変換される時に発生するエネルギー)によって、水を冷却する方式
地域冷暖房
地域冷暖房とは、多数の施設に冷暖房や給湯用の冷水・温水等を、供給するシステムです。
DHC(District Heating and Cooling)とも呼ばれます。
地域冷暖房には、以下の3つのメリットがあります。
- 需要家メリット:スペースの有効活用・建設コストの低減が可能。
(熱源機器が不要となり、機械室を縮小できる) - 供給業者メリット:個別空調に比べて、設備の効率的運転ができる
- 社会的メリット:大気汚染・公害防止になる
ただし、大型で効率性の高い熱源設備から各施設に冷水・温水等を供給するため、エネルギーコストは通常の熱源に比べて高くなります。
換気設備
換気設備とは、ビル内の空気を入れ替えるための設備です。
換気方法は、以下の通りに分類されます。
- 自然換気:自然の通風によって換気する方法
- 機械換気:ファンによって強制的に給気・排気をする方法
- 第一種機械換気方式:給気・排気を機械によって行う方式
- 第二種機械換気方式:給気を機械によって行う方式
- 第三種機械換気方式:排気を機械によって行う方式
喫煙所や便所等、室内を負圧にして排気を強化すべき箇所には、第三種機械換気方式が用いられます。
給排水設備
給水設備
給水設備とは、建物内で使用する水や湯を供給する設備のことです。
給水方式は、主に以下の3種類です。
- 高置水槽方式:屋上の水槽から重力で給水する方式。低層建物に使用される。
- ポンプ直送方式:受水槽からポンプで加圧給水する方式
- 圧力水槽方式:受水槽から圧力タンクを使って給水する方式
排水設備
排水は、重力やポンプを用いて行われます。
雨水は雨水管を用いて排水できるよう、計画を立てます。
雨水管径は屋根の面積から算出され、通常100mm/hを用いますが、最近はゲリラ豪雨対策として、10分間の降雨量も参考にします。
省資源の取り組み
省資源への取り組みとして、中水道設備の利用があります。
中水道設備とは、利用後の排水や雨水を再利用するために、建物内で水を浄化処理する設備です。
再利用した水は、トイレの洗浄水や植栽散水用の水(雑用水)として利用されます。
再利用には衛生的な問題もあるため、配管等は別系統になっていることが多いです。
照明設備
照明用語
- 光源:自ら光を発する発光体のこと。
- 光束:光源から発せられる光の量を視覚によって測った量のこと。単位:lm(ルーメン)
- 光度:光源が持っている光の強さ、照明能力のこと。単位:cd(カンデラ)
- 照度:光に照らされた面の明るさを表す値のこと。単位:lx(ルクス)
- グレア:光の眩しさのこと
- 演色性:物の色を自然光で見た状態に近い色で表現しうる性能のこと
- 保守率:必要照度を確保するために行う補正係数のこと
照明設備・照明方式
照明設備は主に以下の 2種類に分けられます。
- 蛍光灯(Hf蛍光ランプ)
- LED(白色LED)
LEDは省エネルギー性能が高く、蛍光灯の1.5倍を超える効率があります。
照明方式は主に以下の2種類に分けられます。
- 全般照明方式:全体を照らす照明
- タスクアンビエント方式:作業場用ライト・周辺環境用ライトを組み合わせて照らす照明
タスクアンビエント方式は、大きな省エネ効果が期待されるため、オフィスビルで多く使用されています。
ビル管理システム
ビル管理システム機能は以下の二つに大別されます。
- BAS機能:機器とオンライン接続されており、警報監視・運転を取り扱う
(Building Automation System) - BMS機能:日常の設備管理から発生するオフライン情報を取り扱う
(Building Management System)
また、エネルギーを使う機器を管理・制御するシステムとして、BEMSがあります。
(Building Energy Management System)
建築用語
建築物に関する用語
- 特殊建築物:不特定多数の人が利用する建築物や、危険物を貯蔵する施設等、特殊な用途に使われる建築物のこと
例)学校・病院・百貨店・共同住宅・旅館・自動車車庫 等 - 主要構造部:建築物の構造上重要な部分。壁・柱・床・梁・屋根・階段のこと
面積・高さ・階数の規定
- 敷地面積:敷地の水平投影面積
- 建築面積:建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積
<面積に含まれない部分>- 地階で地盤面上1m以下にある部分
- 軒が1m以上突き出している場合で、先端から1m後退した線から建物と反対側の部分
- 延べ面積:建築物の各階の床面積の合計
<面積に含まれない部分>- 駐車場や駐輪場の床面積のうち、延べ面積の1/5まで
- 階数:地階と地上階の合計
<階数に含まれない部分>- 昇降機等
- 昇降機塔・地階の倉庫・機械室等で、水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下のもの
構造に関する用語
- 鉄筋コンクリート造:鉄筋をコンクリートの中に埋め込んだ構造。以下のメリットがあります。
- 耐久性に富む(引張力に強い鉄筋と、圧縮力に強いコンクリートを組み合わせているため)
- 鉄筋が錆びづらい(コンクリートは強アルカリ性かつ、鉄筋を外界から守っているため)
- 鉄筋造:鋼材を組み立てて形成する構造。以下のメリットがあります。
- 大スパンの建築が可能(鋼材は強度が高く軽いため)
- 鉄骨鉄筋コンクリート:鉄骨の柱・梁を鉄筋コンクリートで巻いた構造。
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