投資分析

金融商品を選定・組み合わせる際に用いる投資分析の手法について解説します。

リターンの計算

金融商品のリターンは期待収益率という方法を用いて計算されます。

  • 期待収益率:資産から生じる投資収益率のこと

例1)1,000円で購入した配当金50円の債権を、1年後に1,050円で売却した場合の期待収益率

(50+(1,050-1,000))/1,000*100=10

上記は保有資産が一つのケースですが、複数資産を持っていた場合の期待収益率はどうでしょう。

保有する資産の分散・組み合わせのことをポートフォリオといいます。

ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して求めます。

例2)以下の表の株式・投資信託・債権を購入した場合の期待収益率

(0.2*0.5+0.5*0.2+0.3*0.1)*100=23%

組入割合期待収益率
株式20%50%
投資信託50%20%
債権30%10%

リスクの計算

ポートフォリオは値動きが異なる(ばらつきが大きい)資産が多いほど、リスクは低減されます。

このばらつきを図る数値として標準偏差という指標が用いられます。標準偏差が大きいほど、リスクは大きくなります。

  • 標準偏差分散の平方根
  • 分散(各資産の組入資産の期待収益率ー期待収益率)^2*組入比率

例2の標準偏差を求めると以下の通りになります。

√((0.5-0.23)^2ー(0.2-0.23)^2ー(0.1-0.23)^2)=√201=14.2%

リスクコントロール

リスクにはポートフォリオの組入銘柄を増やすことで低減できるものと、できないものがあります。

銘柄数の増加等、個別銘柄の要因で発生するリスクをシステマティック・リスク

市場金利・為替の変動・地政学等の要因で発生するリスクをアンシステマティック・リスクといいます。

運用成果

リスクあたりの収益率が目標とするベンチマークを、どのくらい上回ったか(超過リターン)図る指標をシャープレシオといいます。

  • シャープレシオ=(ポートフォリオの収益率ー無リスク資産の収益率)/(ポートフォリオの標準偏差)

無リスク資産とは、元本が保証された安全な資産のことです。

企業分析

収益性の分析は、総資本営業利益率・自己資本利益率(ROE)・売上高利益率・総資本回転率等を求めることがで試算ができます。

  • 総資本回転率=売上高/総資本

流動性の分析は、流動比率・当座比率を求めることがで試算ができます。

  • 流動比率=流動資産/流動負債
  • 当座比率=当座資産/流動負債
    ※当座資産:現金預金受取手形売掛金

財務の健全性は、固定比率・固定長期適合率を求めることで試算ができます。

  • 固定比率=固定資産/自己資本
  • 固定長期適合率=固定資産/(固定負債自己資本)*100
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