株式の取引方法
普通取引
株式の売買をする際は、証券会社に口座を開設します。注文時には、売買価格を指定する指値注文と価格を指定しない成行注文があります。
取引の単位は、1単元100株と決められており、1単元単位で売買を行います。
売買の決済は、売買成立日(約定日)からその日を含めて3営業日目に行われます。
少額取引
少ない資金で投資を行いたい人向けに、1単元未満の少額で取引ができる制度があります。
- 株式ミニ投資:単元株の10分の1単位で株式の売買を行うことができる制度です。
- 株式累積投資(るいとう):毎月一定額を投資して同一銘柄の株式を継続して購入する制度です。この購入方法をドルコスト平均法といいます。
上記は通常の株式と比較して、買付の際指値注文ができない・購入金額が単元株に達するまで議決権がないという特徴があります。
信用取引
信用取引とは、証券会社から必要資金を借りて株式を購入したり、株券を借りて株式を売却する取引のことです。
信用取引には、以下の2種類があります。
- 一般信用取引:証券会社の契約に基づいて、取引条件が決められる取引
- 制度信用取引:証券取引所の規則に基づいて、取引所が選定した銘柄について、取引条件が決められる取引
上記2種類の相互間で取引を変更することは不可能です。
また、信用取引が成立した場合は、約定価格の30%かつ30万円以上の委託保証金を証券会社に差し入れる必要があります。金銭に代えて有価証券で代用することも可能です。
委託保証金が規定額を下回った場合は、追加保証金を差し入れる必要があります。
株式市場
会社が発行する株式を、誰でも自由に売買できるよう手続きをすることを「株式公開」といい、実行されると株式市場で取引されます。
株式市場の種類
国内の証券取引所は、東京・名古屋・札幌・福岡の4か所です。
また、東京証券取引所におけるデリバティブを扱う市場は、大阪取引所と呼ばれます。(東京証券取引所と大阪証券取引所は統合されました。)
東京証券取引所における市場の種類
東京証券取引所は2022年に再編され、以下の3つの区分に再編されました。
- プライム市場
定義「多くの投資家の投資対象になりうる規模の時価総額をもち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」 - スタンダード市場
定義「公開された市場における投資対象として一定の時価総額をもち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備え、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場」 - グロース市場
定義「高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適宜・適切な開示が行われ、一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場」
株式の投資指標
株価指数
株価指数は、株式の平均値を算出したもので、株式市場の動向を捉えるために使用されます。
- 日経平均株価:プライム市場に上場している、代表的な225銘柄を対象とした修正平均株価
- 東証株価指数(TOPIX):プライム市場の上場企業および元東証一部上場企業を対象とした、時価総額加重平均型の株価指数
- JPX日経インデックス400:東京証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額・売買代金・ROE・営業利益等の指標により選定された400銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数
- 東証REIT指数:東京証券取引所に上場している不動産投資信託の全銘柄を対象とした時価総額加重平均型の株価指数
個別銘柄の投資指標
投資銘柄を選択する際は、個別企業の売上高や純資産を分析する必要がありますが、この分析手法をファンダメンタル分析といいます。
一方で、株価チャートや過去の株価動向等から、今後の株価を予想する分析手法をテクニカル分析といいます。
ファンダメンタル分析で使用する代表的な指標は、以下の通りです。
- PER(Price Earnings Ratio、株価収益率):株価が1株あたり純利益の何倍か(=株価/1株あたり純利益)
値が高いほど、銘柄の株価が割高と判断されます。 - PBR(Price Book-Value Ratio、株価純資産倍率):株価が1株あたり純資産の何倍か(=株価/1株あたり純資産)
値が高いほど、銘柄の株価が割高と判断されます。 - ROE(Return on Equity、自己資本利益率):自己資本に対する当期純利益の割合(=当期純利益/自己資本)
値が高いほど、投資効率が良い銘柄と判断されます。 - 配当性向:当期純利益に対する年間配当金の割合(=支払配当金/当期純利益)
値が高いほど、利益還元率が高い銘柄と判断されます。 - 配当利回り:株価に対する配当金の割合(=1株当たり配当金/株価)
値が高いほど、キャピタルゲインの大きい銘柄と判断されます。 - 自己資本比率:総資本に対する自己資本の割合(=自己資本/総資本)
値が高いほど、経営の健全性が高い銘柄と判断されます。 - EVA(Economic Value Added、経済付加価値):企業が当該事業でどれだけの経済価値を生み出したかを測る指標(=事業利益ー資本コスト)
- MVA(Market Value Added、市場付加価値):株主資本として投入した資金に対して、企業がどの程度の付加価値をつけているかを表すもの(=株式時価総額ー自己資本)
NISA(少額投資非課税制度)
個人の資産形成を目的として、株式投資信託の配当や譲渡益が一定額まで非課税となる制度です。
配当金を非課税にするためには、受取方法を株式数比例配分方式とする必要があります。
2023年までは以下の分類で構成されていました。
- 一般NISA:非課税限度額120万円、非課税期間最長5年間
- つみたてNISA:非課税限度額40万円、非課税期間最長20年間
2024年以降は以下の分類で構成されます。
- 成長投資枠:年間投資枠240万円
- つみたて投資枠:年間投資枠120万円
非課税限度額は合わせて1,800万円で、非課税期間は双方とも無制限です。
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