債権とは
債権とは、国や企業等が資金を調達するために発行する借用証書のことです。この記事では、債権の基本知識について解説します。
債権の発行条件
債権を発行し募集する際は、以下の5点について、あらかじめ条件を設定する必要があります。
- 額面価格(償還時に支払われる金額)
- 発行価格(発行時の価格。100円とみなして表示される)
- 表面利率(クーポンレート、額面価格に対して支払われる1年あたりの利率のこと)
- 償還期間
- 利払い(利息受取の頻度。通常年2回)
債権の利回り
債権の利回りとは、債権投資で得られる収益を投資金額で割ったもので、1年あたりに換算した年平均利回りで求めます。
債権の利回りは以下の4種類に分けられます。
- 応募者利回り:新発債を購入し、償還まで保有した場合の利回り
=(クーポン+(額面金額ー発行価格)/償還期間)/発行価格*100
- 最終利回り:既発債を購入し、償還まで保有した場合の利回り
=(クーポン+(額面金額ー買付価格)/償還期間)/買付価格*100
- 所有期間利回り:新発債や既発債を購入し、途中で売却した場合の利回り
=(クーポン+(売却価格ー買付価格)/所有期間)/買付価格*100
- 直接利回り:買付価格に対する毎年の利回り
=クーポン/買付価格*100
債権の現在価値
金利のある世界では、現在の1万円と1年後の1万円は同じ価値になりません。
例えば、金利が年利率1%だった場合、現在の10,000円は1年後の10,100円と同等なります。
逆に金利が年利率1%だった場合の、1年後の10,000円は、現在いくらか算出することも可能です。
この場合の年利率を割引率といい、10,000円を元金とした場合、現在いくらか(現在価値)は以下の式で求めることが可能です。
- 現在価値=元金/(1+割引率)
債権の変動リスク要因
債権の購入にあたっては、債権の条件がどのように変動するリスクがあるか、あらかじめ認識する必要があります。まとめると以下の通りです。
価格・利回り
債権の価格・利回りの変動は主に、金利と信用リスクに左右されます。
- 金利が上昇→債権価格は下落・利回りは上昇
- 信用格付けが上昇→債権価格は上昇・利回りは下落
信用格付けとは、元本や利息の支払いに対する確実性について、格付け期間が評価して記号で示したものです。
BBB以上で投資適格債、BB以下で投機的債権(ジャンク債・ハイイールド債)とされます。
価格の変動幅・投資回収期間
債権価格の変動幅、債権へ投資した資金がどのくらいの期間で回収できるか(デュレーション)は債権の残存期間・表面利率によって左右されます。
- 残存期間が長くなる→価格の変動幅は大きく・デュレーションは長く
- 表面利率が低くなる→価格の変動幅は大きく・デュレーションは長く
※表面利率:1年当たりの利子、インカムゲインのみ
※利回り:1年当たりの運用益、キャピタルゲインを含む
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